娘の憂鬱

　↓今日もっとも驚いたメール。

父『手術無事終わったよ！』

　今日だったのかよおおおおおおおおおおおおおおおおおおお←知らなかった

　ちょっ、えっ、今日かよ！！！　普通に図書室で言語地図と格闘してたよ！！　ドイツ語のノート作ってたよ！！！　いやまあ知ってたってね、帰れる訳じゃないしやれることなんて無いんだけどさ！！　無いんだけどさ！！！
　月曜日に電話かけたら「今入院中」って言われて、そろそろ手術が近いはずだから予備検査とかかなーなんて思ってたら　今　日　か　よ　！！

　……いや、テストと課題が目白押しだと愚痴っていたから、心配かけちゃ悪かろうという親心で言わなかったのかな…………と思ったのに。

父『……あれ？　言ってなかったっけ？』

　忘れられてただけだったよちくちょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお娘ちょう蚊帳の外！！！！！！！！
　先月末頃に、「手術は１２月の１５日前後くらいになると思う～」みたいな話を聞いたっきりで、ワタシ、詳細、一切知らＮＡＩ！！！　ちょっ、もおおおおおおおおおおおおおおおおおおおいつもよく忘れ去られるけどなんでそんな大事なことまでもおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお！！！！！！！

　…………はあ、まあ、無事終わってくれたみたいで、良かったです……。明日になれば母とも電話は出来るだろうとのこと。……ま、これで終いじゃないし、大変なのは寧ろこれから、長い闘いになるんですが、ね……。小さい頃から憧れていた母親のあの柔らかい髪が全て抜けてしまうと思うと、眼前に切っ先を突き付けられたような、落ち着かぬ心地になります。

　話は変わりますが、日付ももうすぐ変わるという時刻に珍しく父親から電話がかかってきて（普段は常識的な時間にしか電話してこない）、何事かと思い慌てて取ったら用件は「米ってどう炊くの？」…………えっと……。
　米の計量カップがないところから始まり、そもそも米が玄米しか見つからない、白米どこ？　ないの？　何回洗えばいい？　水はどの目盛りに合わせれば？　……というのを電話越しに言われたって、だってそこ俺がよく知り尽くしている仙台の実家じゃなくて今年から住み始めた新居だもの！　そこまで知らないよ！　特にコップと米の在処！！
　炊飯器自体も私が数年付き合ってきた奴ではないから、水加減もちょっとよく分からないし……最近の炊飯器は用途に合わせて目盛りが色々付きすぎていて、電話越しだと全然分からん…………。
　夏の帰省中はずっと炊事をしていたので、その時の記憶と母親の行動パターンを思い起こしながら、米とコップの位置はどうにか割り出したものの……多分明日のご飯は硬いだろうなぁ…………。あの人柔らかめのが好きだから、目盛りより少し多めに水入れないとならないんだけど、あんまり細かいこと言うと混乱するかと思って言わなかったんだよなぁ、あの水加減を生粋の『Ａ型気質』の父親に説明するのがそもそもめんどくて…………まあ頑張れ父。食えない硬さにはならん。

父『玄米しかない……白米ない……。明日もうリンゴ食べようかな……』
私「えっと……ちなみに今日の夕飯はどうしたの？」
父『リンゴ』（忙しくて買いにも行けなかったらしい）
私「コンビニでいいんでもうちょっと色々食べて下さいお願いします倒れます医者の不養生ここに極まれりです」

　無事白米は見つかり、予約炊飯も多分出来ているはずなので、大丈夫だとは思……いや“大”丈夫ではない気もするけど…………うーん……。
　私は来週の木曜日、正月休みに入ってすぐ帰るのですが、……あと１週間生きていけるのかなあの人…………母の退院も同じくらいかかるからあの調子で１週間持ち堪えてもらうしかないんだけど……不安すぎる…………。こんな大変な時期に倒れられたらおれ困り果てる外ねーぞ……。